2026年7月24日、円相場は1ドル=163円台で推移し、約39年8カ月ぶりの安値圏にあります。日経平均株価は1,811円安と急落しました。そして7月27日からの週は、米FOMCと日銀の金融政策決定会合が連続する「ダブル会合week」です。
この記事では、直近の市況を一次ソースで整理したうえで、夏休みの海外旅行で両替やカード決済をどう考えるかを解説します。結論から言えば、大切なのは為替の「予測」ではなく「分散」です。
すでに円安下でのカード選びをまとめた円安163円台の海外旅行で為替負けしないクレカ・マイル術もあわせてご覧ください。本記事は「どのカードを使うか」ではなく「いつ動くか」に焦点を当てます。
【2026年8月2日追記】その後、7月31日前後に為替介入観測が強まり、ドル円は163円台から157円台まで急落しました。最新の値動きと海外旅行の両替判断は為替介入観測でドル円157円台に急反落|海外旅行の両替はいつすべきかで解説しています。
2026年7月24日の市場で何が起きたか
まず事実関係を、日付と数値つきで押さえます。相場の話は数字がないと再現性がありません。
日経平均は1,811円安の急落
7月24日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅反落しました。終値は前日比1,811円45銭(2.73%)安の6万4,611円15銭です。
下げ幅は一時2,200円を超える場面もありました。前日の米国株安に加え、上昇が続いたAI・半導体関連株の反動売りが重なった形です。中東情勢の緊迫化も重しとなりました(出典:THE GOLD ONLINE「7月24日の国内株式市場概況」)。
米国株もダウ・ナスダックそろって下落
同じ7月24日の米国市場も軟調でした。NYダウは506.93ドル安の5万1,711.65ドル、ナスダック総合は553.20ポイント安の2万5,137.70で取引を終えています。
背景としては、アルファベットやテスラの決算を受けたAI投資への警戒、原油高、そしてFRBの利上げ観測の高まりが挙げられています(出典:財経新聞「NY株式:NYダウは506.93ドル安」)。
円は163円台、約39年8カ月ぶりの安値圏
為替は円安が進みました。7月24日午前9時時点の円相場は1ドル=163円83〜85銭で、前日(163円30〜33銭)より53銭の円安・ドル高です(出典:時事通信)。
その前日の7月23日には、一時1ドル=163円42銭近辺をつけました。これは1986年11月以来、およそ39年8カ月ぶりの円安水準です(出典:日本経済新聞)。
なぜ円安が進んでいるのか|3つの要因
円安の理由は一つではありません。現在は次の3つが重なっています。
①米金利の上昇とFRBの利上げ観測
7月24日の米10年債利回りは一時4.713%まで上昇し、約2カ月ぶりの高水準となりました。引けは4.678%前後です(出典:財経新聞「NY債券:下落、利上げ観測の高まりで金利上昇」)。
金利が上がると、その通貨は買われやすくなります。米金利の上昇はドル高・円安に働く典型的な材料です。
②中東情勢と原油高によるインフレ懸念
2026年7月は中東情勢が緊迫し、原油価格が上昇しました。7月21日時点で、WTI原油は1バレル80ドルを巡る攻防となっています(出典:OANDA証券 WTI原油見通し)。
原油高は輸送費やエネルギー価格を通じて物価を押し上げます。インフレが再加速すれば、中央銀行は金融引き締めに動きやすくなります。この連想が米金利をさらに押し上げました。
③日米金利差が残っている
日銀は2026年6月の会合で政策金利の誘導目標を0.25%引き上げ、1.00%としました。1.00%という水準は1995年以来、31年ぶりの高さです。
それでも米国の政策金利(3.50〜3.75%)とは差があります。金利差が残るかぎり、円は売られやすい地合いが続きます。国内でも金利上昇の影響は出ており、クレカのリボ払い金利18%改定のような形で家計に波及しています。
7月27日〜8月2日は「ダブル会合week」
ここからが本題です。来週は日米の金融政策イベントが連続します。為替が動きやすい一週間になります。
7月28〜29日:米FOMC
FOMCは7月28〜29日に開催されます。政策金利の発表は米東部時間29日午後2時、その30分後にケビン・ウォーシュFRB議長の記者会見が予定されています。ウォーシュ氏は2026年5月に第17代FRB議長へ就任しました。
市場の織り込みは日々変わっています。7月24日時点のCME FedWatchでは、7月会合での利上げ確率が1週間前の10.7%から31.5%へ上昇したと報じられました。一方で、同時期に36%前後や46%台と伝える集計もあり、数値には幅があります。
いずれにせよ「据え置きが本命だが、利上げの可能性も無視できない」という状態です。最新値はCMEグループの公式FedWatchツールで確認できます。
7月30〜31日:日銀 金融政策決定会合
日銀の金融政策決定会合は7月30〜31日です(出典:日本銀行 公式サイト)。31日15時30分から総裁記者会見が予定されています。
報道では、6月の利上げの影響を見極めるため政策金利1.00%は据え置きの方針とされています。2026年度の成長率見通しの上方修正が検討されているとも伝えられました(出典:日本経済新聞)。
想定される2つのシナリオ
会合の結果と為替の関係を整理すると、大きく次のように分かれます。あくまで一般的な連想であり、実際の相場はこのとおりに動くとは限りません。
| 組み合わせ | 一般的に連想される方向 | 旅行者への影響 |
|---|---|---|
| FRB利上げ + 日銀据え置き | 金利差拡大でドル高・円安に振れやすい | 旅費の円換算コストが増えやすい |
| FRB据え置き + 日銀据え置き | 材料出尽くしで方向感が出にくい | 大きな変化は起きにくい |
| FRB据え置き + 日銀タカ派姿勢 | 金利差縮小の思惑で円高方向に振れやすい | 旅費の円換算コストが下がる可能性 |
| 想定外の結果 | 短時間で値幅が出やすい | 両替レートが荒れやすい |
なお株探によれば、来週の日経平均の予想レンジは上限6万7,000円・下限6万3,000円とされています(出典:株探ニュース)。株式・為替とも値幅が出やすい週という見方が優勢です。
夏休みの海外旅行|両替とカード決済のタイミング
ここからは旅行者向けの実務です。為替は当てにいくものではありません。当てられない前提で、損失の振れ幅を小さくする設計にします。
両替は「一度にまとめない」が基本
本サイトでは以前から、外貨の準備を一度にまとめて行わない方針を推奨してきました。理由はシンプルで、1回で全額を替えると、その日のレートが結果のすべてになってしまうからです。
出発の2〜3週間前から2〜3回に分けて準備すれば、平均取得レートは平準化します。とくに今週のようにイベントが集中する週は、この考え方が効きます。
実際に数字にすると、為替より手数料が効く
編集部ではこのサイトの運営として、日米の市況を毎日追いかけています。そのうえで実感しているのは、旅行者にとって為替の日々の振れ幅は、思ったほど大きくないということです。
試算してみます。7月23日の163円42銭と、7月24日にニューヨーク市場でつけた163円88銭。この差で1,200ドルを決済すると、円換算の差は約550円です。1日分の値動きとしては、この程度に収まります。
一方、同じ1,200ドル(約19万6,000円)を、海外事務手数料1.60%のカードと2.20%のカードで払った場合、差額は約1,180円です。為替の1日分の振れより、カード1枚の選択のほうが2倍効いている計算になります。
レートの上下を毎日眺めて消耗するより、手数料の低いカードを1枚用意しておくほうが、確実に効きます。なお為替の公式データは日本銀行「外国為替市況」で確認できます(2026年7月26日確認)。
どこで替えるかは手段によって差が大きい部分です。詳しくは海外旅行の外貨両替はどこが得か2026年最新比較と海外での両替・外貨手数料をゼロにする方法で比較しています。
カード決済で効くのは「海外事務手数料」
為替が1円動くことより、海外事務手数料が1%違うことのほうが、実は影響が読みやすい部分です。163円のレートで20万円分を決済する場合、手数料率が1.60%と2.20%では、差額はおよそ1,200円になります。
この手数料率は近年、引き上げが相次いでいます。保有カードの現在の料率は必ず確認してください。カード別の比較は海外事務手数料の主要カード徹底比較、改定の動きはクレジットカード海外手数料の改悪一覧にまとめています。
現地でのキャッシングを併用する場合は、海外キャッシングにおすすめのクレジットカード比較もあわせてご確認ください。
会合当日をあえて避けるという選択
7月29日のFOMC発表直後と、7月31日の日銀総裁会見の前後は、為替が短時間で振れやすい時間帯です。両替所や銀行が提示するレートには、この変動リスク分のスプレッドが上乗せされることがあります。
急がない両替であれば、この2日を外して前後にずらすのは合理的な判断です。逆に「発表後に円高になるはずだから待つ」という賭けは、外れたときの損失も引き受けることになります。
円安環境そのものへの対処法は円安時代の海外旅行節約術2026、旅費相場の目安は夏休み海外旅行の費用2026で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 円安はいつまで続きますか?
時期を断定することはできません。現在の円安は米金利の高止まり、原油高、日米金利差という複数の要因が重なった結果です。要因のどれかが変化すれば方向は変わり得ます。予測に賭けるより、両替の分散や手数料の見直しで備えるほうが再現性があります。
Q2. FOMCの前に両替したほうが得ですか?
前後どちらが有利かは、結果が出るまで誰にも分かりません。確実に言えるのは、発表前後は値動きが荒くなりやすいことだけです。急がないのであれば、当日を外して複数回に分けるのが現実的な対応になります。
Q3. 日銀が利上げすれば円高になりますか?
一般には日米金利差の縮小につながるため、円高方向の材料とされます。ただし相場はすでに織り込んでいる部分もあり、発表後に逆方向へ動くことも珍しくありません。単一の材料だけで方向を決めつけないことが重要です。
Q4. 現地でDCC(自国通貨建て決済)を勧められたら?
DCCは店側が設定した為替レートが適用される仕組みで、一般にカード会社の基準レートより不利になりやすいとされます。決済端末で「日本円で払うか、現地通貨で払うか」を聞かれた場合は、現地通貨建てを選ぶのが基本です。
まとめ
2026年7月24日時点で、円は163円台と約39年8カ月ぶりの安値圏にあります。日経平均は1,811円安、NYダウは506ドル安と、株式市場も調整しました。7月27日からの週はFOMCと日銀会合が連続し、為替が動きやすい局面です。
旅行者にできるのは、当てにいくことではありません。両替を複数回に分けること、海外事務手数料の低いカードを選ぶこと、DCCを避けること。この3つは為替がどちらに動いても効きます。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の投資判断・資産運用・税務の取り扱いについては、ファイナンシャルプランナー・税理士・公認会計士等の専門家にご確認ください。為替・金利の水準や会合日程は執筆時点のものであり、最新情報は日本銀行・CMEグループなど各発表主体の公式サイトでご確認ください。
※本記事は2026年7月26日時点で公表されている情報にもとづく解説であり、特定の金融商品の売買や投資行動を推奨するものではありません。相場見通しは複数の見方があり、記載した数値・確率は日々変動します。為替取引・投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。
※市況データはすべて2026年7月24日時点の各出典による数値です。会合日程は日本銀行およびCMEグループの公表情報を参照しています。
